超久しぶりに「住野よる」の作品を読んだ。たぶん10年ぶりくらい。「君の膵臓を食べたい」を単行本で購入して読んだ記憶。文庫本と新書版しか買わない僕としては異例だった。タイトルがインパクトありすぎで、ん?カニバリズム?ゲェ~、映画化されたらヤバいんじゃね?・・・なんて感覚だった。。。で、今回読んだのは「また、同じ夢を見ていた」(当然、文庫本だ)だ。2016年の作品。実は、これは僕が買ったモノではない。僕の机の上に何気なくポンっと置かれていたのだ。じゃ、次はこれを読んでみよっと。でも、こんなのはもう読むトシじゃないのだけどね…(「君の膵臓を~」で住野よるはアオハルものの作家だ、と思っていたのだ)
配偶者が何のために僕の机の上に置いたのかギモンだったが、訊きもせずにいた。。。表紙を見た。女のコと黒猫の後ろ姿。今いるウチの猫と似ている。配偶者はもしかしたら単にそれだけの理由でこの本を買った?まぁ、いい。で、読み始める。。。う~ん、小学生が主人公かぁ~シッポのちぎれたネコが友達かぁ~・・・最後まで読めるか不安だなぁ~ なんて、何度か思いながら読み進めた。 少し内容に触れる:主人公の女の子はとても「かしこい」。そのためか、クラス内に友達がいない。友達は4人。あ、1匹と3人。「尻尾のちぎれたねこ」と、死にかけていたその仔猫を助けようとそのコを見つけた近くの家々を回り、唯一ドアを開けてくれた「アバズレさん」という30代の女性。或る日、ねこと散歩中に女子高生の南さんのリストカット現場に出くわし、彼女の書いた小説に感動し、仲良くなる。そして木のドアの家に住むお菓子作りの得意なおばあちゃん。。。これに「桐生君」というクラスメイトが絡む。主人公の口癖は「人生って〇〇みたいなものね」。笑点の大喜利のようにオチをつけて「人生」を語るのだ。そんな大人びた彼女は国語の授業の一環で「幸せとは」をお題に発表しなければならなくなる・・・そんなお話なのだが、面白かった。何が、って・・・人それぞれの「幸せって何か」を教えてくれるから。「人生って」も。ウチの法人の理念は「幸せに生きることへのお手伝い」だから、それぞれの患者さんや利用者さんのニーズに合ったお手伝いは何か、を考えることにも影響しそうだ。このコラムを書きながら「人生」って「変換」しようとしたら一番に「仁政」(ウチの法人名です)って出た。う~ん、やっぱ、この作品を読むのが必然だったんだな、と思えた。
読み進めていくと1匹と3人が何だったか、がなんとなくわかる(気がする)。アオハル作品とバカにしたもんじゃない。やっぱり「売れる本」はスゴいんだな、と思う。
今、僕は純文学作品を読み始めた。得意の3冊同時読み。これらが面白かった場合は、またこの欄で紹介しますね~ あ、読み終えてから配偶者にひとつだけ訊ねた。「何故、これを買ったの?」「タイトルに魅かれた。それだけ」。そっか。聞かなきゃよかった。配偶者にしたら随分フツーすぎる回答…