５月22日付のサキガケの「すいよう学芸館」のページに「映画から世界が見えるー古今東西の名作・話題作」というコーナーがある。そこにとても有名な写真が１枚。ルネ・クレマン監督の「禁じられた遊び」の１カット。男の子と女の子が寝そべって楽しそう？に語り合ってるシーン。男の子の名はミシェル。女の子はポーレット。第2次世界大戦下のフランス。ナチスの侵攻で孤児になってさ迷っていたポーレットを兄のように支えるミシェル。。。1990年代までは地上波で毎週数本映画を放映してた。「禁じられた遊び」は数年に1度の割合で放送していたので子供の頃何度も観ていた。そんな超名作映画だ。誰でも聞いたことがあるギターの名曲でも有名だ。
今回のお話は、この「禁じられた遊び」について、ではない。この作品を観た「あの日」のことだ。。。中学校の修学旅行。3泊での北海道旅行。３年生の６月の初旬の寒～い北の大地へ、津軽海峡を船で渡った。大荒れの海。殆どの生徒は船酔いのため新鮮な空気を求めて客室から雨の甲板に出ていた。僕は持参していた「カルミン」（覚えている人はいるだろうか？ミント味のタブレット型お菓子。イメージとしては「フリスク」「ミンティア」をデカくした感じ。）をかみ砕き、なんとか吐き気を抑えていた。。で、なんだかんだで、北海道に上陸。夕食、入浴を終え宿での消灯時間。21時！家では深夜ラジオを聴いていて眠るのは25時以降、がフツーの中３の少年達はザワザワ。「何かしよーゼ」「見回りに何度も来るらしいよ、先生が」「電気、消しとかなきゃマズいね」（当時、「ヤバい」という言葉は存在しなかった「マズい」だった）「じゃあ、テレビを音を低くして観るしかないかぁ～」で、「水曜ロードショーで禁じられた遊び、やるよ」と僕。「なにそれ？」「ミシェルとポーレットがかわいそうでね」「じゃ、観よー」。
14、5歳の男子5人が部屋を暗くしてボリュームを絞った中で静かに真剣に名画の鑑賞。みんな各々感じるところがあったようで23時には大人しく布団に入った。
修学旅行終了後、「思い出」をグループ毎にまとめるホームルームの時間では「思い出ベスト３」を決める。僕らのグループでは①2日目の昼食で出た「身欠きにしん丼」のマズさ（サカナなんか見向きもしない年頃の子に爺い婆あの食うモノなんか出すんじゃねえ、とのコメント多数）②ホリイ君がお土産で買った「沢蟹のおつまみ」をみんなでバスの中で食べた美味しさ（ホリイ君はいつも気前が良かった。当然、今もだ）③先生に隠れて観た「禁じられた遊び」（名作はどんな年代の心も動かすのだ）に決まってクラス内で発表。ウケた。（と記憶している）
今、振り返ってみるととても純真なステキな少年達だったね、みんな。。。今からちょうど50年前のお話です。