このところ「ホリガネ先生からの葉書」や「学生時代の教授陣」と学生時代のお話が続いた。今回は別のお話をしようと用意していたが、職場の書棚の不要なファイルを整理していたら新聞の切り抜きがどっさりと出現。2014~18年の日付のそれらに目を通してみた。ドラッガーや齋藤茂太、ビル・ゲイツなどの著名人の有意義な言葉や朝日の天声人語、サキガケの北斗星など20枚くらい。殆どが法人内の職員研修のネタとして切り抜いたものだったが、「学生時代」を彷彿させる切り抜きも3枚あった。1枚は著名な脚本家「山田太一」の言葉、あとの2枚は「北斗星」で2018年6月の2日続けての記事。今回はこれについて触れることとしたい。
まずは「山田太一」。1970ー80年代のドラマは彼の時代だった。「ふぞろいの林檎たち」や「異人たちの夏」など超有名な作品が多い山田。「ふぞろいの~」なんかは僕らの世代そのままの考え方や世相が反映されていて登場人物たちに自分を投影しちゃっていた記憶さえある。当時(1980年代半ば頃)男3人、女3人の仲間と遊んでいた時期がある。職場の先輩に「あなた方はあのドラマとそっくりね」と言われたことがある。「ふぞろいの~」は6人の男女の物語だったせいもあるのだろうが…あ、郷愁に浸らず書き進めます。。。「岸辺のアルバム」という名作、TBSのドラマの中の言葉だ。~~学生時代なんて祭りのようなものだからな。ぽつんと孤独の一年があるのもいいもんだ~~ 義務教育、高校までのいろんな制約・制限から解放された大学時代。そこを卒業すれば死ぬまで1人の社会人として過ごすことになる。大学時代だけに許された「自由」と「責任が免除された環境」。それを山田は「祭り」と言った。親友のフクシマ君は「隠居時代」と言った。
で、「北斗星」。2日続編という新聞コラムでは超珍しい形態だった。2018年のコラムニストは僕と同世代の方だったのだろう。以下、それぞれを抜粋。~1日目:~学生時代、友人が「すごい小説を読んだ」と興奮気味に語ってきた。それは「群像」1979年6月号に載った村上春樹のデビュー作「風の歌を聴け」だった。勧められるまま読んだ感想は「翻訳っぽくて苦手」。友人は「そこがいいんじゃないか」~~以前、このコラムにこれと激似の体験を書いている。大学2年の春、ホリガネ先生が群像を持ってきて「すごい小説が出た。読んでみぃ」。同じ時代、同世代の学生は「群像」を知り、少し大人になった感覚になり、この新しいスタイルの小説に夢中になった。今、日本人の62%が本を1冊も読まないという。スマホでの動画や無料ゲームの影響だと。「予めゴールが決まっているゲームをクリアすることに何か生産的なものがあるのか」と言ったのは2才年下の医事課にいたヨシキさんだった。
~2日目:~~映画「スターウォーズ」の記念すべき1作目に日本中が沸き、成田空港が開港、キャンディーズは「普通の女の子に戻りたい」と解散し、ラインから外れたサラリーマンを「窓際族」とした流行語が生まれた1978年にサザンオールスターズがデビュー。40年前の今日(2018年6月25日付)「勝手にシンドバッド」が発売された~~ SAS(サザンオールスターズ)は僕らの青春を語る時(振り返る時)必ずBGMのようにSASの曲が頭を過る。冒頭に掲げた「ふぞろいの林檎たち」の主題歌は「いとしのエリー」だ。
体制に逆らって斜に構えていたと思っていたら、しっかりと当時の若者そのままを演じていたようだ。ちょっとだけ赤面しながらこの文章を書いている自分に気が付いた。