この7月から秘密結社R(以下、R)の地域クラブの幹事を1年間やることになった。中学時代からの友人、ホリイ君は「ガバナー補佐」(その年県内のRで2番目にエラい人)という重責を務めたことがある。。。幼い頃から「時間的拘束」が大嫌いな僕は部活にも所属しなかったし、学習塾にも通わなかった。「毎週〇曜日の△時から▢時まで」なんて決められたら死んじゃうくらいのストレスを感じる。Rに所属していつの間にか8年になる。1年半前に「そろそろ何かの役割を負ってくれ~」とクラブの重鎮数名に囲まれ「Iさんが会長になるならお手伝いしますぅ~」とお調子こいて承諾してしまったのだ。。。で、去年から〇△セミナーとか✖▢研修とか、今まで出たことのないR独自の研修に出席する機会が激増。貴重な土曜日が丸々1日取られることもある。
愚痴っぽくなった。さて、本題。ヤマザキマリさん。実はRの今年11月の全県大会のゲスト。今年のガバナー(1番エラい人)はあの有名な鶴の湯のオーナーさんなので、温泉の縁でゲスト講演となった、と専らのウワサ。そう。ヤマザキさんはあの映画「テルマエ・ロマエ」の原作者だ。ヤマザキさんについては詳しくない。カーリーヘアのようなふわふわした髪とネコ好き、くらいの情報しかもたなかったが、ある日配偶者に「11月に大曲でヤマザキマリの講演を聴くよ~」と言ったところ、「あ、あの人面白いよ~」「ん?何故知ってる?」「彼女の本、持ってる」「え~っ、貸してぇ~」。で、読んでみた。「ムスコ物語」というタイトル。彼女の息子さんについて書いた本。20話くらいから成るエッセイ。その中の「イルカと少年」がとても感動的だった。少し紹介したい。
息子さんが10歳の時。当時住んでたのがポルトガル。3カ月もの長い夏休みを利用して北海道に住むヤマザキさんの母親に会う旅を計画していたが、息子デルスは沖縄のあの有名な美ら海水族館にいるイルカに会いにいきたいとねだる。病気で失った背びれをゴムで作成して装着。ジャンプまで出来るようになったイルカだと知り、親子3人は沖縄へ向かう。イルカ「フジ」に滞在中毎日会いに通う。10日間1日も欠かさず。最終日、「毎日来た僕をフジは覚えてくれたかな」とデルス君は母に言う。「イルカはどうかわかんないけど飼育員さんはあなたに笑顔をくれたからきっと覚えているよ」とヤマザキさん。。。で、12年後。今度は母子2人で水族館を再訪。既に4年前フジは亡くなっていたが、装着していた人工背びれは展示されていた。既に成人しているデルス君は記念に「ガチャを1回づつ回そう」と提案。ヤマザキさんは「ジンベイザメの入ったカプセルをゲットし喜んで息子をみると細かいパーツの入ったカプセルが出た息子はその組み立てに夢中。できたフィギュアは「水槽に入っているイルカと飼育員を観る少年」だった。。。飼育員さんが毎日訪れる少年に感動しその構図を提案したのだろうが、それを採用して作っちゃう水族館のトップは一体どんな方なのだろう。みんなの思いに感動して読み終えても涙が止まらなかった。
「美ら海水族館行きてぇ~」「いつか行こうね」。きっと今でもとても素敵なスタッフが揃っているんだろうね。