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スタッフコラムStaff Column

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  1. 2022/03/28スタッフコラム

    「みっつの裏庭・特別編」シリーズ…理事長語録②(ありがたいお言葉〈アイメッセージで〉)

     今、アルコールやギャンブル等の依存症家族への支援としてCRAFT(クラフト)というプログラムが注目されています。家族が本人に治療を勧めても受け入れてもらえないばかりか、家族が治療を受けさせようと頑張れば頑張るほど本人は逆に治療の受け入れをかたくなに拒否するという例は少なくありません。そんな本人を見て家族は本人を治療につなげることに無力感を味わい、強制的に入院させてもらう以外方法はないと考えるようになってしまいます。

     

    CRAFTは「Community Reinforcement And Family Training」(コミュニティ強化法と家族トレーニング)の略称です。ここで言う「コミュニティ」とは、本人を取り巻く環境のこと。つまり治療を受け入れやすい環境を作ることによって、自ら治療を選んでもらうのです。大きなポイントはコミュニケーションを変えることですが、それだけではなく、CRAFTでは家族自身が今より楽になれることも目指していきます。

     

    CRAFTのコミュニケーションスキルの大きな特徴は「私」を主語にすることにあります。

    「酔っている姿を子どもに見せたくないから、酒を控えて」「酔っている姿を子どもが見るのは、私はとても悲しい」

    「今日は飲まずに帰ってきて」「仕事が終わったら飲みたくなるよね。我慢するのは大変だと思うけれど、早く帰ってきてくれたら私はうれしい」

    このような伝え方の練習をします。

    『あなた』を主語にすると命令口調になります。『お前なぁ』とか『あなたはね』と言われると『批判されるな』と必ず身構えます。依存症の人たちは命令されるのがとても嫌です。だから『あなたをコントロールするつもりはないよ、でも私が思うのは勝手だよね』というスタンス。本人に相手の主張がスッと伝わりやすい。『酔っている姿を子どもに見られると私は悲しい』と自分の気持ちを軸にして言うことがとても大事です。

     

    「私」を主語にして相手に伝えることを「アイメッセージ」と言います。それはアルコール治療に携わった当初より理事長から教わっていたことでした。今回のありがたいお言葉は「伝えるときはアイメッセージで」です。多分皆さんも何度か教わったことがあると思うのです。

    治療のみならず普段の生活の中でも周囲の人とのコミュニケーションを円滑に行うためにとても役立つものです。

    皆さん是非お試しください。

    注)僕は初めてクラフトと聞いた時、さだまさしが作った「僕に任せてください」「さよならコンサート」を歌っていたクラフトしか出てきませんでした。