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スタッフコラムStaff Column

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  1. 2025/01/23スタッフコラム

    〇まPの裏庭  ピップエレキバンド、懐かしい・・・  

    R7年1月のサキガケ新聞の「シリーズ時代を語る」欄は友川カズキだ。前回のコラムにも少しだけ触れてたが・・・昨年秋に「配偶者がLPレコードを売ったお話」をしていた。その時最も高額で売れたのが友川のレコード。1枚2800円だったのが4500円!それが2枚!何故「友川」が高値???全く理解できなかった。「値がつきません」と言われて持ち帰ってくるものとばかり思っていた。

    僕が友川かずき(カタカナの名前には馴染みがない・・・)を知ったのは確か高校1年の頃。NHKラジオの「若いこだま」という番組のパーソナリティーをしているのを聞いてた(月曜夜9:00から、だったと思う)。丁度その頃のこと。ウチの姉(以前書いたけどアニキのような姉だ)は僕とは対照的でとても行動的。学生時代に秋田市のタウン情報冊子の作成に携わっていた。そして、その取材と称して「大町ビル」のライブハウス「田中屋」(今はもうない)で「友川かずきとピップエレキバンド」というフザケたグループ名のライブの直前に田中屋に潜入し単独インタビューをした。僕はそれにくっついていって黙ってそれを見てた。どんな質問をしてたか、なんかは全く覚えていない。ただ、その後のライブはスゴかった。「歩道橋」「おじっちゃ」「冬は莫迦くしぇな」など、当時のコアなファンは酔いに酔った。「鬼気迫る」という表現がこれほどピッタリくる経験がない。友川が発する迫力に気圧され、ぐうの音も出なかった。

    酒を呷りながらのライブは東京でも観た。吉祥寺の「曼荼羅」というライブハウス。確か2千円くらいのチケット。しかも1ドリンク付き。「新政2合」を注文した記憶。当時のアラマサは「No6」などの高価なものではなく、所謂「二級酒」だ。常温2合、つまみなし。それに友川の唄。心の叫び。アンコールに「王将!」と叫べたのは酒のおかげだ。友川は少しだけ微笑みを浮かべ、名曲「王将」を唄う。あ、村田英雄の歌です。当時、彼は歌の合間にこれを唄っていた。。。僕の東京での4年間では大きな思い出のひとつとなっている。

    中原中也の詩に曲をつけて唄う友川。中也のどれくらいの数の作品に曲をつけたかは知らないが誰でも知ってる「汚れちまった悲しみに」や「サーカス」にも曲をつけた。文科系にも拘わらず暗記が苦手な僕は彼の曲に乗ってすいすい中也の詩を口ずさむことができる。「坊や」や「湖上」なんかはホントに涙が出るくらい情景が浮かぶ曲になっている。高校時代、仕方なくゲーテやリルケなどを読んでみていたが詩には???といった感じで興味を覚えなかったため日本の詩人にも興味がない。しかも中也の印象はあの「汚れちまった~」の青臭そうな、そして甘いマスクにソフト帽というフェミニン臭満載の写真から「違うだろ」だった。しかし、友川が紹介してくれた中也の詩を味わうと読みたくなった。超有名な「山羊の歌・在りし日の歌」を読んだ。ショックを受けた。「ホラホラこれが僕の骨~みつばのおひたしを食べていた骨~」「トタンがせんべい食べて~」う~ん、なんかわかんねぇけど、スゲえ。。。

    今朝も「時代を語る」を読んだ。嵐山さんとの思い出の回だった。多くの文化人との交友もある友川。中也にも劣らない叫びの詩人は秋田の誇りだ。