今年の冬は今のところとっても有難い。そう、雪国秋田の年中行事「雪かき」がないから。コロナ禍にあってもこの行事だけは中止知らずだったが、今年はどうしたものか雪が少ない。あ、秋田市周辺の地域では、と限定的だけど。
秋田が一番寒い時だ、と信じている1月のこの時期(秋田市の三吉神社の梵天祭り(1月17日)の辺りだ)になると切ない思い出が蘇る。一緒に過ごした歴代のねこ。その子たちが亡くなったのは圧倒的に1月が多い。配偶者は一緒に住んでいない近所のねこにも平等に(或いは飼いねこに掛かる食費以上に高価な)「ごはん」をあげる。その中のひとり「しゃむお」と配偶者が呼ぶスノーシューっぽいオトコのこのねこ。飼いねこ然としてフツーにウチに上がり込み、2Fの僕の部屋まで上がってきて「おまえはウザい。ここは僕んチだ!おまえの匂いなんか消してやるっ」とばかりマーキング。だけどそのおとぼけ感満載のキャラが可愛すぎて怒ることもできずに「生き易い環境」を提供していた。彼が亡くなって1年。飼ってもないのにウチのリビングで看取って、火葬したのが、1年前の今日。未だに切ない。
去年の7月の初め、姉が飼っていたハスキーのミックス犬「ひなた君」が亡くなった。14歳4カ月だった。昔からワンコが苦手な僕に唯一懐いてくれたねこのような穏やかで優しいコだった。コロナ禍のため姉ともなかなか会う機会がなく「ひなた」と最後に会ったのは父の13回忌の時だから亡くなる10カ月も前のことだった。その時も僕と2人?で散歩に出掛け、オトコ同士でいろんな話をした、ような気がするくらい楽しい時間を過ごした。途中、ねこに出会うとビビって立ち止まり、遠巻きに迂回するくらいワンコらしくない、僕にとっては唯一無二の存在だった。半年経ってもまだ切ない。
ねこは寒さに、ワンコは暑さに弱い。体が弱っているときは命取りにさえなる。やっぱり生きとし生けるもの、春がいいみたい。数日前、冬鳥の群れが北へ向かう声を聞いた。あと、ひと月もすれば…生命に優しい季節がすぐそこまで来ている。