子供のころは、結構くじ運が良かった。
あまり思い出せることはないのだが、親からはそう言われてきたので良かったのだろう。
大学の頃、友人が新装開店のジーンズショップで買い物をするのに付き合い、たまたまそこで記入したアンケートの抽選で１万円の
旅行券が当たったことがあった。換金したお金はほどなくパチンコ屋へ旅立っていった。病院に勤めてからは宝くじをよく買っていた。
僕のくじ運最高到達点は宝くじ、５０万円に９番違い（連番ではなくバラ買いで）。それ以降はかすりもしないので宝くじからは
遠ざかっている。病院での飲み会の際の大抽選会、ビンゴ、あれは周囲の人が当たるのを見る会だと思っていた。でも、一度だけ
「アラフォー」のミュージックCDが当たったことがあった。〇まPにはほぼ無いことだ。〇まPよりはくじ運が良い、それだけは
自慢できる。
そんな僕が、８月中旬頃、職場で隣席の〇〇さんから「元気ないですよ？どうしましたか？」と声をかけられた。自分としては自覚
症状無しだった。「診察を受けてくださいと言われたらいやですか？」と気遣いのある受診の勧めもあり、産業医の診察を受けた。
指示にて厚〇医療センターの連携室に自分の診察予約ファックスを送る。（いつもの業務なので慣れていた）早速、厚〇医療センター
から連絡が来て脳外科への受診日が決まる。待合室で待っていると、外来の看護師から呼ばれた。初めは新人と思しき生真面目そうな
若い看護師さんだったが途中で気さくな感じのふくよかな看護師さんに交代した。十年来の友人のように話しかけてくる。「近いかな」
と思ったが嫌な感じではなかった。
診察室に呼ばれる。いきなり「光幸さん、どうしました。」と声をかけられびっくりした。よく見るとその先生は大学時代のテニス部の
後輩だ。昔から真面目で親切な優しい男だった。狙って行った訳でもないのにこのめぐり合わせには感謝。診察時、経緯を伝えると
「今日はたまたまMRIが故障ですがCTを撮りましょう」と。めぐり合わせは良いはずなのに？検査の結果脳梗塞であることが分かった。
「梗塞部位は結構大きかったですよ。その割に麻痺も無く、運が良かったですよと言われた。やっぱり運が良かったのだと思うことに
した。
杉山に勤めてから何かに「当たった」のは久しぶりだ。大当たりではなく小当たりだったのも、くじ運が良かったという事なのだろう。
今は血液サラサラのお薬を飲みながら次の「当たり」が来ませんようにと日々を送っている。