秋田の伝統野菜には、松館のしぼり大根 三関のせり ひろっこ ふき てんこ小豆 とんぶり じゅんさいなどいろいろあります。
特に異彩を放つかつてのお正月の料理の定番「ちょろぎ」。ぐるぐる渦を巻いた小さい巻き貝のような、タツノオトシゴのような、
摩訶不思議な植物をみなさんご存知でしょうか?冬になるとスーパーの漬物売り場に赤く染まったちょろぎが酢漬けとして、陳列・販売
されています。100円ショップでも販売しているらしい。
生ちょろぎ(白い宝石)との出会いは、船越に移転したての“いとく男鹿ショッピングセンター”の漬け物コーナーで、パックに入り
土と一緒に入って売られていた白い物体でした。土の中で白くぐるぐる渦巻いているものを見た時は面白い形をしているなーと思って
いました。その時は買わずに家へ帰ってきましたが、2日間ほどどういう風に育つのだろうかなど調べるなどし、モヤモヤしており
ました。この時、知ったのは育てるのが難しい(立ち枯れる=枯〇株)こと、収穫がしったげ難儀な(じゃがいも・サツマイモの収穫
とは雲泥の差である)こと、秋田県では生産者が少なくなってきていること。これはうまくいくと将来一儲けできるぞと、3日後、
意気揚々と、男鹿のいとくへぐるぐる渦巻を買いに出かけまして、見事に2パックゲット。これが12月のはじめのころの出来事。
冬季間は、土の中で眠らせておくと良いとのことで、畑に穴を掘って、ぐるぐる渦巻の冬眠です。翌年4月末、掘り返したらもう
ニョキニョキと芽が出ている。早速畑にぐるぐる渦巻を埋没させて経過観察。5月・6月は順調に成長し育ち、シソの花に似た花を
咲かせます。残念なことに、7月・8月の猛暑で1日1日見るたびに1株ずつ萎れてきます。一度クシャおじさんとなった株は
復活できず枯れてしまいます。
生き残ったちょろぎの株は、11月の寒くなってきた頃収穫。土の中で白いぐるぐる渦巻が見えるときはテンション爆上がり。
一瞬ですが白い宝石のように見えます。よく見るとまめたんっ子のぐるぐる渦巻がいっぱい。拾い上げるのが大変ですが、根から
ぐるぐる渦巻を外すときは、ポキポキ折れるのですがこの感触が面白い。収穫後も面倒くさいことが・・・。砂を洗い落すこと
(青木ボデーの下に畑があるので砂地です)をしなくてはなりませんが、1ヶ1ヶ歯ブラシなどを使って落としていきます。
まめたんっ子ばかりなので非常に手間。その後は、梅漬けの汁に浸けて1ヶ月くらいで赤く染まってお正月の食卓へ。真っ赤に染
まったまめたんっ子の渦巻はカリカリしていて口に運ぶ手が止まりません。
今年は、3回目の収穫を間近にしていますが、今年も雨が降らない時期が3週間以上続いた上、気温が高い日が続きました。
毎日夕方、手押しポンプで水をくみ上げ、雀の涙ほどの水を与えていましたが、クシャおじさんとなったぐるぐる渦巻の株、数知れず。
来年はリベンジ。半沢直樹だーと想う今日この頃です。
杉翠荘 T岡

