今、洋上風力発電がアツイ。昨年末、秋田県沖で商業運転が始まった。テレビで「ナセル」という風車の部品と人々のアツイ思いに
触れてから、「コラムはこれだ!」と作戦を変更した(本当は締め切りを忘れていただけのこと…)。風車はタワー、ハブ、ナセル、
ブレードから構成され、ナセルは風車の発電機やブレーキ装置などが格納されている部分である。ブレード(羽根)で風を受け
エネルギーに変える発電機によって風の強さや向きを自動的に調整し効率よく発電する。風車の回転速度が上がりすぎると、
安全のため回転を停止させるのだという。うまくできているなあ、と感心しつつ、私も色々な事を「調整」する役割をうまく
果たさねばという気持ちになった。
当院での新型コロナウイルス感染症クラスター対応にあたり、まさに病院一丸となって乗り越えるときに、風車でいうところのタワー、
ハブ、ナセル、ブレードのように、病院のどの部署にもそれぞれの重要な役割がある。それぞれの立場で意見し、時に嫌な思いをする
人も。それでも乗り越えることができたのは、「患者さんの命と自分たちの生活を守る」という共通命題があったからだと思う。
前述したアツイ思いは、由利本荘市の三栄機械さんだが「コロナ禍で航空機部品の需要がなくなっており経営的には苦しかったが、
できるところを見つけて協力していかなければならない。洋上風力発電は未知の領域だが、大企業では届かない技術を追求したい。
これは大きなチャンスだ。」と。ピンチをチャンスに変えることができるのは当事者なのだ。
他方のアツイ思いは、風力発電反対のグループ。近隣住民の入眠妨害の健康リスク、評価等から活動を強めている。ある事象がメリット
だけ、あるいはデメリットだけもたらすということはなく、どんなものにも、相反する思いであったり利害であったりが生じる。コロナ
クラスター経験中もさまざまな意見をいただいた。その人あるいはその部署の「立場」でそれを声に出して議論するのは大歓迎!
そこに「杉山病院のため」という共通の思いがあるから。「なせば成る、なさねば成らぬ何事も 成らぬは人のなさぬなりけり」とは
上杉鷹山の言葉。杉山病院の私のためにある言葉。本年もよろしくお願い致します。(事務部 部長M)