最近は乱読?気味(そんなに沢山読んでるわけじゃなく)でどうも読む本の傾向というものが定まってないようです。前任のSさんから「月2冊は本を読め。1冊は携わる仕事に生かせる内容のモノ。1冊は自分の好きなジャンル」と教えられていたが、本屋さんに行ってもどうも「即役に立つ」モノを手に取ることが少ない、というより皆無。。。基本的にミーハーなんだけど、本に関しては少し「斜」に構える傾向があって話題の本を旬な時期に買おうとしなかった。が、トシを取るにつれ「残り時間」を無意識に気にするようになったのか結構話題の本を買うようになってきた。。。今回は自分でもしっかりと自覚しだした「老い」に関する記述のある、「おおっ!面白い」と思って書き抜いておいた作品を紹介しますね。
まずは63歳で作家デビューし芥川賞を取った作品から 「何も何も知らなかった。若さというのは今思えばほんとうに無知と同義だった。何もかも自分で経験して初めて分かることだった。ならば、老いることは経験することと同義だろうか。分かることと同義だろうか。老いは失うこと、寂しさに耐えること、そう思っていた桃子さんに希望を与える。~~人は独り生きていくのが基本なのだと思う。そこに緩く繋がる人間関係があればいい」(「おらおらでひとりいぐも」若竹千佐子)・・・最期は誰だって独りで逝く。そんな寂寞感?にチカラをくれるような言葉だ。でも岩手弁が読みづらくて、よく選考委員が理解できたな~って思う作品でした。
2つ目は、脳科学者の本から 「長寿者には共通する「性格」が見つかりました。良心的で慎重であり、注意深く、調子に乗らない。いわば真面目で悲観的な性格を持っていることが長寿との相関が高かったのです。逆に長寿でなかった人に共通するのは、陽気で楽観的であるという性格でした。「真面目で悲観的な性格」が実は本人の命を守るための性質だったという事実。(「空気を読む脳」中野信子)・・・確かにVシネマ観ると極道は速攻で撃たれて死ぬもんね~意味が違うか。えへへ~
そして 「「人に訪れる最大の驚きは老齢だ」と言ったのは誰だっけな?知らない、と私は言った。そんな言葉は聞いたこともない。しかし、確かにそうかもしれない。それは人の予想を遥かに超えたことなのかもしれない。自分はもうこの世界にとって、生物学的に(そしてまた社会的に)なくてもいい存在である、とある日誰かにはっきり教えられること。」(「騎士団長殺し」村上春樹)・・・4人の親を見てきても「随分衰えたな」と感じるくらいだった。自分で実際に経験しなきゃわかる筈もないのが「老い」でした。日々いろんなシーンで実感するけどまだまだ、この先もっといろんなトコロが利かなくなってくるんだね。
これまで何匹かのネコを飼い、何匹かを看取った。今一緒にいる「まろん」もヒトにすると70代半ば。先日の「全身麻酔」のオペの翌日、食事もできず水を飲むことさえできない中、足元もおぼつかずヨロヨロとしながらもソファに座る僕の膝の上に日常のルーチンのように来てくれる彼女(オスのワンコに多い名前のようですが、女の子ニャンコです)がとても愛おしい。自分も「老い」を実感する中、まだ14歳なのに僕より年上になっちゃったんだね⤵と、いろんなことにまだまだ達観できない僕がいる・・・