(前回の続き)
入院後は、ただ寝ているだけでした。(数日後腰にギブスがまかれ亀の子状態になったけど)
僕より少し後に入院した若者は(当時僕は28歳)22歳ほどで、居眠り運転で足を骨折しての入院でした。
まさに交通災害センターです。居眠り運転の彼は入院当初は体を動かすのもやっとの様でやたらとナースコールを押しては
吸い飲みで水をもらっていました。後で聞いたら実は結構飲酒していて、それで水を欲しがっていたようです。酔い覚めの水は
たとえ吸い飲みからでも、値千金。居眠りじゃなく酔っ払い運転じゃないか!飲みすぎて半分気絶状態だったのでしょう。
4~5日して体も回復してくると彼女と思しき人が面会に何か持ってきていました。その彼女さんが僕の方にも来て、茶碗に入った
飲み物を手渡してくれました。ありがとうございますと言い、飲もうとするとかぐわしい香りがプーンと。ウイスキーの水割りでした。
一口頂きました。残念ながらおいしいと感じられませんでした。でも彼はお代わりしていました。「こいつはアル中だ。いつか病院で
会うかも知れない」と思いましたが、幸か不幸か今まで会っていません。
入院生活は大変ヒマで本を読むにはいい時間でしたが、さすがに1日中読書も飽きてきます。誰かの面会はうれしいものでした。
当時の相談室の後輩のM君が二日も連続で面会に来てくれたことがありました。「なんていい奴なんだ」ジーンとなりました。
後日談ですが、彼は災害センター近くのホテルで飲み会があり(ビヤガーデン)、僕の見舞い帰りに車をそのまま置いて、翌日車を
取りに来た際もただ車に乗っていくには都合が悪くまた寄ったというのが本当の所のようでした。ビールのつまみは僕の入院話?
連日面会は嬉しかったけど、感動して損した。
その飲み会には、勤務して1年足らずの〇まPも参加していたようで、きっとおいしいビールだったことでしょう。