これは、明治時代の農村指導者で、生涯を貧農救済に捧げ、「老農」あるいは「農聖」と敬称された石川理紀之助の言葉である。
ある日、娘の小学校の配布物の中に、「石川理紀之助検定」のチラシを見つけた。毎日、「石川理紀之助の里」の看板を通り過ぎ通勤
しているし、そして潟上市に引っ越して10年、潟上市の偉人であるについて学んでみる事も悪くないと思い検定を受けてみることにした。
(一番の理由は、コロナ禍で暇だったからであるが…)
理紀之助翁については、種苗交換会の先覚者である事以外は何も知らなかったが、翁は日本各地の農村指導へ行く際、今で言うマイ箸
やエコバックを持参していたりと、現代のSDGsの考えを明治時代から実践しており、現代人の生き方自体にも通ずる事が多いと感じた。
題名にした翁の言葉、「寝ていて人を起こす事なかれ。」とは、翁の“経済の言葉”14か条の第1条で、この訓言は、農業や経済に携わる
人たちのみならず、現代人全般に向けたメッセージとして語りつがれている。意味は、自分は寝たままで人を起こすような横着なことは
するな、人を働かせようと思ったら、口先で命令するだけではなく自分が先頭に立って働けということである。私も不惑の年となり、
後任の育成を考える事も多くなってきた。そんな中、翁の言葉の様に、口先だけで指導するだけでなく率先して働く姿を見せる事で、
後輩を先導できるような存在になりたいと思う。
翠香苑 業務科 I