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  1. 2021/09/24スタッフコラム

    失われた後は、神だのみ

    10年程前(私が56歳頃)のことです。当時在職していた臨床心理士から遊び半分で認知症の検査をしてもらったことがありました。20分位で終わる検査だったのですが、その結果を聞き驚きました。記憶に関する領域だけが軽度の障害レベルだったのです。他の領域は正常域であるだけにその部分だけがより目立ってしまいました。確かに少し忘れっぽいなと思うところはあったのですが、結果を目の当たりにするとさすがに不安を覚えました。

    仕事を含め日常生活を送るうえでは、そのことが大きな障害になったことはありませんでしたが、それでも何らかの対策を講じなくてはと考えるようになりました。その結果それまで以上に周囲の人たちに依存することが多くなりました。「あれはどうだったっけ?」「これで良かったっけ?」とよく聞く様になったし、ありがたいことに、周りからの「忘れないでね」との声掛けも増えました。メモもなるべくきれいに書くように心掛けるようにもなりました。(その割に自分で読めないメモが今でも多数存在しますが)

    北秋田市に住んでいる先輩から(75歳以上です)運転免許証更新時の認知機能検査で16個のイラストをすべて記憶して、全問正解はあなただけだと検査官から褒められたという話を聞きました。本人は、これは練習のたまものだと言うので、警察庁WEBでどんな認知機能検査をするのか調べてみました。一枚の紙にイラストが4個並び、それが4枚、合わせて16個です。

    でも、練習嫌いで通っていた僕が10年後の免許更新のために今から練習するのもどうかと思い、まずは再検査と考え、病院の心理士さんにお願いし(若い、新しい心理士さん)検査を受けました。

    以前検査を受けた経験もあり、どのあたりで出てきた言葉を覚えていればよいかも大体わかっていたはずなのに、またしても結果は、記憶領域に軽度の障害ありと出てきました。しっかり意識していたのに覚えていることができなかった。記憶に関しては練習だけで戻るものではないと悟りました。そして思いました。結果を受け入れよう。

    「失われたものを数えるな、残されたものを最大限に生かせ」これは“パラリンピックの父”と呼ばれた、ユダヤ系ドイツ人、ルードウィッヒ・グッドマン医師の言葉です。テレビでパラリンピックを見ていて学びました。

    失われた記憶力を嘆いていてもしようがない、残されたもの(メモをとる、周囲の人々にお願いする等)を最大限に生かそうと思い直した次第です。

    ただ、問題はこの決意をいつまで記憶出来ているかという事です。こればっかりは神だのみでしょうか?

     

    【精神保健福祉士 佐藤光幸】