去年1月のコラムに「今年は①カラマーゾフの兄弟②山月記③太宰の作品 を読むゾ」と書いた。齋藤孝さんの推し作品だったから。で、ちゃんと読んだ(山月記も太宰のヴィヨンの妻の2度目だったが)。長編・翻訳の苦手な僕も「まぁ、面白いかも」とカラマーゾフもそれなりに読めた。が、その他として齋藤孝さんの推し作家「西村賢太」にハマってしまった。一昨年急死した芥川賞作家だ。受賞作は「苦役列車」。以前「ん?勝又浩?仰天!」にも詳しく書いた。月5冊ペースで乱読してたが、ほぼテーマを決めずに読むスタイルなので、10月以降の3カ月で西村作品を6冊も読んじゃうなんて近年稀にみるハマりようだった。
で、前回の予告どおり本題に入ります。第170回芥川賞候補者について。「作品」ではなく「候補者」について、だ。僕はほとんどの作品は値段が安くなる「文庫本」になってからしか読まない。「文芸誌」や「単行本」では読まないということだ。小説は少し時間が経っても腐るもんじゃないしねっ。
まぁ、それはどうでもいいんだけど。今回の候補者5名の中に知ってる名前があったのだ。しかも意外な名前。。。この作家を知ったのは6年前のサキガケ新聞。今でも記事の切り抜きを取ってるので日付もわかる。平成30年2月27日付。文芸欄。「歌壇賞受賞・川野さん 「セクハラはびこる社会へ 短歌で異議~」という見出し。そこにあった短歌に衝撃を受け、管理職研修の「ハラスメント防止」を訴える際に使わせてもらうほどのインパクトだったのでこのコラムでも紹介したことがあったかもしれない。それがこれ。 harassとは 猟犬をけしかける声 その鹿がつかれはてて死ぬまで 川野芽生(めぐみ と読みます)さんの作品だ。Lilithという歌集にある凄い作品。harass はハラスメントの語源だそうだ。当然、鹿はハラスメントの犠牲者。この川野さんが小説家だったとは! ノミネート作品は「Blue」。内容は全くわからない。そこで川野芽生ってどんな人か調べた。。。なんと東京大学。大学の短歌会に入会してからたった8年での歌壇賞受賞。2017年には小説家として創元ファンタジィ新人賞候補。「Bliue」に超興味が沸いた。東大出身の小説家で芥川賞受賞者で僕が知ってる名前を挙げる。 ・堀江敏幸「熊の敷石」 ・藤原伊織「テロリストのパラソル」 ・吉井由吉「杳子・妻隠」 ・庄司薫「赤頭巾ちゃん気をつけて」 ・大江健三郎「飼育」 うち読んだ作品は3作だけ。。。確か17日水曜に選考会。どうなるんだろ。