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スタッフコラムStaff Column

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  1. 2024/04/03スタッフコラム

    〇まPの裏庭  4月、と言えばやっぱサクラ、だね~

    2月は記録的な暖かさだった。極寒の地、秋田に暮らす僕たちは「このまま春に突入だ!スゲえ得した気分だゼ!」とウキウキ状態になったものだ。。。だが、現実は3月に入って一転。お彼岸の辺りは雪が積もるほどの寒波。毎年、彼岸の入り辺りにお墓の掃除をするのだが、近年では記憶にない事態に動揺。「クマも怖いし寒いし、掃除に行くのよそうよ~」という僕に配偶者は「自然ってスゴいね。しっかり帳尻合わせするよね。桜の開花を適切な時期にするための強制操作だね、これは~」と提案を無視し、何故かこの寒波を歓迎ムード・・・そう言えばテレビの気象情報では3月のアタマくらいに「東京の開花は3月20日前後と予想します!」と自信満々、力強く宣言してたので、そろそろタイヤ交換しよっかな~なんて考えてた。。。ところが、サキガケ新聞のコラムに「東京はまだつぼみ(3月27日付朝刊)」の記事。「そっかぁ~もう4月かぁ~」。東京の桜を思い起こした。

    1978年4月3日。中学時代から憧れていた東京での大学生活の始まりの日。部屋を借りた中野から私鉄、国電(当時はJRなんかなかった。)を乗り継いで飯田橋駅。そこから武道館まで歩いての入学式(卒業式に出てないので後にも先にも武道館に入ったのはその1度きりだ)。終了後、大学に移ってのオリエンテーション。誰も知ってる人もなく、飯田橋駅から市ヶ谷駅方面に向かう「外濠公園」を歩く。お堀に沿って続く遊歩道は桜の名所。その日が満開。18歳の僕にとってそれまで「桜を観る」なんてことは1度もなかった。が、その美しさに圧倒された。ただただ目線を少しだけ上げながら桜並木を歩いた。何か「祝福」されている気分で、新しい学生生活への不安なんか吹っ飛んでた。東京に対するプラスの思いがますます増えた。

    花を愛でる心なんて一切持ち合わせていない。その辺に咲いてる花にも活けてある花にも殆ど目が行かないのだ。咲いてることにさえ気づかないのが当たり前。が、桜は別。白の強い淡いピンク色の上品な美しさと満開から時を置かず一気に散る潔さが心に迫る。丁度今、梶井基次郎の文庫本「檸檬」を読んでいる。実は去年も読んだ。今年は名作を読み返す年にしてるので、ブックオフに10円で売った本を430円(税別です。古典的名作は安いのです)でまた新たに買ったのだ(売らなきゃいいのにバカだね…)。その中に「桜の樹の下には」という小作品がある。有名な「桜の樹の下には屍体が埋まっている!」という書き出しは多くの人が知ってる筈。この影響からか、80年代、映画監督の鈴木清順は「陽炎座」(違ったかな?「ツィゴイネルワイゼン」だったかも)で桜の樹の下からピンクに染まる人骨を掘り出すシーンを作ってた。夜、ライトアップされた桜もいいだろうが、僕は春の優しい日差しの中の桜がやっぱりいい。満開の千秋公園を歩いてみよっかな~