表題の「遠い風 近い風」はサキガケ新聞の毎土曜の文化欄に載る。毎回読む、というわけではないがタイトルが面白そうだったりするとチェックする。たぶん5~6人の方が執筆を担当。僕は井川直子さんの文章が好きで、井川さんの回はだいたい読む。dancyuというオヤジ向け雑誌に秋田駅前の「永楽食堂」についての温かい文章を読んで以来ファンになった。(実は8月のある土曜の夕方、新築OPENした永楽食堂に大きなバッグを背負って1人で入っていく彼女らしき女性を見かけたので近いうち何かのメディアで紹介されるものと楽しみにしている)。。。
執筆者の中に宮田陽さんもいる。ご存知の方も多いと思うが、秋田市出身の漫才師だ。「宮田陽・昇」というコンビ名。しかも日本漫才会の副会長さん(因みに会長はナイツの塙さん)だ。宮田陽さんの存在を知ったのは飛行機の中だった。「JAL名人会」という機内寄席。(たぶん7~8年も前。秋田~羽田の往復はいつも寄席かジェットストリームを楽しむのが常だった。コロナ後1度も乗ってない。噂では機内の放送サービスは廃止されたと聞くが・・・)その番組で宮田陽さんがいきなり「秋田出身、立命館卒だ、と自己紹介。落語好きの僕はチャンネルを変えようと思ったのを止めて聞き入った。漫才の内容は覚えていないが彼の名前はしっかりとチェック。すると「遠い風近い風」に執筆。9月23日付のコーナーに書いていたのが「練習しておきますか」だった。
最近彼がサキガケ主催の講演会を秋田で行なった時のことをネタにしていた。講演会を終えての関係者での懇親会の前、まだ出席者が揃う前。そう!秋田人ならお分かりの表題の言葉が会場に響いたそうだ。「練習」。。。宮田さんはこう書く。
~~私にとっては懐かしい響きだったが秋田以外では聞いたことがない、秋田の「方言」と言えるかもしれない。 普通の会話に直しと「先に飲み始めますか」と飲み始め、遅れてきた人に「先に飲んでました」。それでは先に飲み始める後ろめたさだ見え隠れするし、遅れた人には自分を待たずに始めたのかという疎外感を与える~~ 宮田さんは「遅れてきた人」と表現するが、練習する人が開始時間より早く来る場合が殆ど。練習したくて早く来る連中なのさ(その連中の一人が僕なのだから間違いない。フライイングしてのお酒の美味さったらもう!)。
更に続けてこう書く。~~このネガティブな感情を一気に解消する魔法の言葉が「練習」。飲む方は「練習」だから気が楽だし、遅れてきた人は自分のために練習してくれたんだな、となれば悪い気はしない~~ 上手い。特に最後の「悪い気はしない」は「練習する側」の素敵な言い訳にしか聞こえないところがいい。宮田さんも書いてたが「本番前」の練習でベロベロになっちゃう秋田県人は愛すべきバカだ。ホント、練習のビールがその日一番の味なことは確実だ。あぁ、どっかで練習したい・・・